「もう慣れた? メンズハイヒール」
――という記事が掲載されています。
タイトルだけ見ると、男がピンヒールのハイヒールをはき始めたかのような印象を受けますが、掲載写真を見てみると、ほとんどがブーツタイプで、ヒールが太いものでした。
確かに最近ではあまり見掛けなかったかもしれませんが、このタイプ、実は男性用の靴としてはかなり古いもので、歴史をたどると1600年代半ばに行き着きます。
当時の剣士たちが履いていたものを、フランスのルイ14世が背の低さを補うために履き始め、それが貴族階級に大流行したのが始まりとされています。
その後、流行りすたりはあったものの、デザインとしては定番として残り、全く作られなかったという時代はなかったはずです。
日本でも、大流行したことはありませんでしたが、私がファッション業界に入った1970年代以降は、量は少ないものの生産され続けています。
ただし、それは「ハイヒール」ではなく「ブーツ」という認識で。
現在流行っているものはディオールやリック(オウエンス)のコレクションの影響を受けているとのことで、以前のものに比べてデザイン的にも洗練されており、ヒールも高くなっているようです。
そういう意味では以前の「ヒールの高いブーツ」とは少々趣が異なりますが、ファッションアイテムとしての「靴」というカテゴリー全体で考えると、
突然変異的に「メンズハイヒール」という全く新しいアイテムが登場したわけではなく、ファッションの大きな流れに沿った「進化型」がクローズアップされるようになった
――という見方もできるのではないでしょうか?
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