2011年12月27日

2011年を振り返って

いろいろあった2011年も、残りわずかとなりました。
そこで、今年のファッション業界における重大ニュースをピックアップしてみました。

とはいっても、ファッション業界全体をカバーしているわけではなく、
弊社の業務と関連のある紳士服業界関連のニュースが中心ですが…。


●スーパークールビズキャンペーン
東日本大震災・東京電力福島第一原発の事故をきっかけとした節電対策の一環として
スーパークールビズキャンペーン」が展開されました。
政府・環境省の方針(クールビズ期間の前後1ヵ月延長指示など)にも後押しされ、
キャンペーンとしてはファッション業界史上、最も成功したといえるでしょう。
しかし、これのおかげで、明治以来連綿と続いてきた「スーツ+ネクタイ」という
ビジネスマンのドレスコードが破壊されてしまいました。
来年以降については、現時点ではまだ判りませんが、電力事情が回復したとしても
一度「楽なスタイル」にシフトしたドレスコードがすぐに元に戻るとは思えず、
ファッションビジネスも大きく転換せざるをえないものと思われます。

●シャツが主役に
スーパークールビズで上衣を着用しなくなったおかげ(?)で、
シャツがビジネスマンの夏のビジネスウェア主役に躍り出ました。
今まで見られなかった「デザイン物」とでも言うべき色・形のシャツが販売され、
それなりに売れたようです。
来年はもっと多様なデザインシャツが出回るのではないでしょうか。

●機能性商品増える
数年前からファッションの新しい流れとして登場していた機能性商品が、
スーパークールビズの影響もあり、一気に増えました。
夏の間は吸汗速乾・抗菌防臭・接触冷感などがキーワードとなっていましたが、
秋冬物では暖かさや保温性にポイントを絞った商品が次々と発売されています。
ファッション性よりも機能性を重要視する消費者も増え、一定の市民権を得た感があります。

●機能性評価法
上記のとおり、市場に定着し始めた機能性商品ですが、一部の機能性については
「性能(機能)を評価する試験方法が統一されていない」という問題が浮上しています。
JISの整備が遅れているのがその主因です。
ISOにおいても、吸汗速乾性試験方法について、韓国から試験方法が提案されたのに続き、
日本のカケン法、ボーケン法も提案され、試験方法を巡ってISO内での日韓対立も
懸念されています。
より良い製品を作るためにも、早急な解決・整備が望まれます。

●PFOA(パーフルオロオクタン酸)規制問題浮上
フッ素系撥水撥油剤においてPFOAを含有しないタイプへの切り替え問題が
クローズアップされ始めました。
2000年に米国においてPFOAの人体への蓄積性が懸念され始め、
2006年に米国環境保護局が自主規制を発表。
世界の主要フッ素科学メーカー8社が参加し、2015年にPFOAを全廃する
という目標に取り組んでいます。
これにより、撥水撥油機能の低下とコストアップという問題が浮上してきました。

●紳士服のスリム化、さらに進行
数年前からの紳士服のスリム化の流れは、20代30代向けの商品から始まりましたが、
この世代に定着した現在は、40代50代向けの商品にも影響を与えるようになり、
紳士服市場全体がサイズのスリム化に向かっています。

●自転車通勤用製品の開発・販売進む
今年秋以降、ブレーキの付いていない自転車(ピスト)の取り締まり問題や、
対歩行者との事故問題など、自転車に絡む諸問題がクローズアップされました。
この背景として、近年、健康エコロジーという観点から通勤手段として
自転車を使う人が増えたことも挙げられるのではないでしょうか。
これを受けて、自転車通勤用の衣料品およびグッズ需要も増加し、
関連商品の開発は年々成熟化して確実に市場を形成しつつあります。
東日本大震災による公共交通機関の混乱から自転車通勤をするようになった方が
増えたことも追い風になっています。

●ルミネ有楽町店オープン
10月28日、有楽町マリオンにルミネ有楽町店がオープンしました。
隣の阪急も、その1週間前に「有楽町阪急メンズトーキョー」としてリニューアル。
これにより、人の流れが変わって有楽町の雰囲気を一変させました。

●タイアップ企画増える
ファッション雑誌タイアップした商品が増えました。
出来上がった商品を誌面で紹介してもらうことからさらに踏み込んで、
企画段階からもの作りに参加してもらうというやり方が定着し、売れているようです。
TV番組に商品を提供した商品が話題となり、販売につながるケースも多く見られます。
最終回の視聴率が40%を記録した「家政婦のミタ」でも、松島菜々子が番組内で着用した
ダウンパーカー、エプロン、帽子、バッグ等に問い合わせが殺到し、
嬉しい悲鳴を上げたようです。


――以上、思いつくままに挙げてみました。
今年は紳士用ビジネスウェアのドレスコードが壊れ、主役がスーツからシャツに交代し、
衣料品製造・販売の際に最も大切だと思われていた「ファッション性」よりも「機能性」が
重要視されるようになるという、歴史的な大転換が起きた一年でした。

来年はそのあたりの認識をしっかり持って、物づくり・販売しなければならないと思います。





posted by 東京繊維製品総合研究所 at 14:02| Comment(0) | TrackBack(0) | 雑感 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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